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「0~2歳児の利他行動の芽生えに関する研究」結果概要

 

〇乳幼児が利他行動をとれるようになるためには、子ども同士が遊ぶ中で「まね」をしあう経験が、重要であることがわかりました。

〇子どもが利他行動をとれるようになるためには、挑戦しがいのある遊び、多少危険を伴う遊びなど、自由な雰囲気の中で遊ぶことが重要であることがわかりました。

 

〇親や保育者など、子どもをとりまく大人同士が利他的な関係にある場合、子どもたちも利他行動を身に着けやすいことがわかりました。

 

研究の背景と目的

 近年、核家族増加、きょうだい数の減少、地域で子ども同士が遊ぶ機会の減少等が顕著です。この状況は、子どもが、家族以外の「他者」と出会い、違いを受け入れ、交流する機会が減っていることを示します。それでは、子どもたちが社会の一員として生きる力を身に付けるためには、どのような環境が必要でしょうか。また、親や保育者にできることはあるのでしょうか。

 本研究では、子どもの「利他行動」(他者の身になって考え、他者の喜ぶ行動を取る)に焦点をあてました。そして、0歳~2歳の子どもが、①どのような道筋で利他行動をとるようになるのか、②子どもが利他行動をとるようになるための環境はどのようなものか、を見出すことを目的としました。

 この目的のために、「子育て広場」での観察調査、アンケート調査などを行いました。「子育て広場」では、子どもの観察のみならず、「親子」「親同士」「親子と保育者」の人間関係も含めて広い視野で観察することができました。

 

 人固有の行動であるといわれている利他行動は、現在、霊長類との比較発達心理学や脳科学から非常に興味関心を持たれているテーマです。しかし、本研究のように、実験室ではなく、生活の場において子どもが利他行動をとれるようになる過程をとらえようとした研究は他にみられません。

研究結果の概要 PDFファイルダウンロード(日本語)

Results Summary  PDF FILE DOWN LOAD(in English)

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